電気料金について

電気料金の仕組み

「電気代」と一口に言っても、その換算方法は少し複雑です。
一般的には「使った分だけ支払う」といったイメージがあるかもしれませんが、実際には電気料金は、使用した電気量に応じて支払う「電力量料金」「再生可能エネルギー発電促進賦課金」、そして使用量に関わらず課金される「基本料金」とによって構成されています。

「基本料金」の基となる契約電力

刻々と変わる需用電力を、記録型計量器により30分単位の平均電力(平均値)として計量し、その平均電力のうち、1ヶ月の最大の値をその月の最大需要電力とします。
最大需要電力のうち、その月を含む過去1年間の最も大きな値を契約電力としています。
その契約電力に、基本料金単価と力率割引を掛け合わせた金額が「基本料金」となります。

使用量料金について

一般施設の使用電力量の内訳として、「単相(100・200V)」すなわち照明・パソコン・コピー機といった、コンセント等から電気を供給して使用するものと、「三相(動力)(200V・400V)」すなわち空調機・ポンプ・ファン等のように消費電力量の大きいものとがあり、それらの使用量の合計に使用料単価を乗じた金額(使用量料金)が請求されます。
ほとんどの施設において、使用電力量のうち「三相(動力)」が占める割合が大きくなっています。

「夏季使用料単価」と
「その他季使用料単価」

電力会社では、7月・8月・9月の3ヶ月を夏季とし、その月分の使用量に電力会社が定めた「夏季使用料単価」を乗じた金額を夏季使用量料金として、基本料金と合算した金額で請求しています。
夏季以外の9ヶ月はその他季として、その月の使用量に電力会社が定めた「その他季使用料単価」を乗じた金額をその他季使用量料金として、基本料金と合算した金額を請求しています。

POINT

各電力会社によって契約単価及び使用料単価(夏季・その他季)は違います。とくに夏場(夏季)において使用量を抑制できれば、経費節減に大きく期待がもてます。

月別の使用量の差

なぜ月々の使用量が増えたり減ったりするでしょうか?
これは動力部分の空調の稼働状況に比例していると推測できます。すべての変動の原因が空調とは限りませんが、冷房や暖房を必要とする時期は使用量が増え、その反対に冷房や暖房を必要としない月は使用量が減っています。
各施設において固定して使用する電力と、季節や条件によって変動する電力があるということがわかります。
よって、1年間を通じ月毎で使用量の差が出てくるものと推測されますが、需要家は最大需要電力量(デマンド)により、定額の基本料金と使用料金を支払っています。

省電力の考え方

簡単にできる省エネ

これは、照明等不要な電気はすぐに切るということです。
今、一般の家庭においてもテレビ等はスイッチを切るだけでなく、コンセントを抜くことで省エネになるといいます。また、空調も設定温度を変えるだけでも年間を通じてみるとかなりの省エネになるといいます。
ところが、業種や施設によっては努力はしていても限界があり、省エネしたくても出来ない事が多いのです。例えば、ホテルや病院で宿泊客や患者様が居るのに電気を切ったり空調を止めることが出来ないからです。

よく知られている省エネ

  • 省エネタイプの器具に取り換える
  • 照明器具に反射板を付け照明の本数を減らす
  • 照明用の安定器をインバータ仕様の物に換える
  • 受電元(キュービクル)の電圧を調整し照明器具の消費電力を減らす
  • デマンドコントローラによるピークカット自家用発電機を使用する

以上が一般的な省エネ方法ですが、一部の業者で電圧を調整するだけですべての電気使用量が20%以上節約できると思わせるものがありますが、それはあり得ません。電圧を下げることによって負荷の仕事量も落ちるので省エネメリットが大きいとは言えません。

例えば電気ポットでお湯を沸かす場合、消費電力は下がってもお湯が沸くまでの時間を考えると電気代は大きく変わりません。また、電圧を下げ過ぎると極端に照明の照度が落ち、チラついたり寿命を短くしてしまいます。
電圧を適度に下げる事で照明部分の省エネは考えられますが、約5~8%位で全体使用量のうち100V部分の照明部分に対してのメリットになります。

動力部分の省エネ

全体使用量のうち、動力の占める割合は電灯に比べても大きく、動力部分の中で空調の占める割合は非常に大きいのです。
この動力部分の空調機器や周辺機器を効率よく制御し、コントロールするのが最も効率がよく確実な省エネができ、当社がご提案する省エネシステムです。

空調システム

空調システムは大きく分けて2種類あります。
一般の家庭でも多く使われている室外機タイプで“個別制御型”のシステムと、“セントラルヒーティング”(吸収式)があります。

空調機のうち一般的に多く使用されているのがヒートポンプ式の空調機で、室内機と室外機に分かれていて、室内機は室内用の送風ファンが冷(温)風を出す役目をし、室外機は屋外に設置され圧縮機(コンプレッサ)がガスを圧縮し、気化熱を利用して冷(温)された空気を室内機に送ります。
空調時期に一番電気を使用するのがこの圧縮機(コンプレッサ)なのです。
個別制御式の空調システムを使用している場合は個々で空調のON・OFFや温度設定が可能です。

セントラルヒーティング(吸収式)は室外機の代わりに大型の熱源(冷凍機・冷温水発生器)で冷(温)水を作り、その冷(温)水を各部屋等に設置された熱交換機(ファンコイルユニット・エアハンドリングユニット)へポンプで送ります。
セントラルヒーティング(吸収式)の場合、各部屋毎での細かい温度設定は出来ず強・弱のように風量の調整しかできません(大型のホテルや病院等に多く使用されています)。

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